もう、服は買わない! おしゃれより大切なこと

コートニー・カーヴァー:作家、ミニマリスト 栗木 さつき翻訳家

たくさん服はあるのに、今日着る服がないのは、あなたが服を持ちすぎているからかも?
新しい服を買うのをやめて、手持ちの服だけで過ごしてみると、意外と定期的に買い続けなくてもおしゃれはできるという事が分かってきます。NYで話題の必要最小限の、確実に着る服だけのワードローブのつくり方「プロジェクト333」を紹介した書籍『もう、服は買わない』。その中から、新しい服を買っても満足できない理由の一つをご紹介します。

〇服は、何も解決してくれないかつての私は着ている服で自信を得ようとしていました。
我ながらイヤになりますが、以前の私は「好印象を与える」ために服を選んでいたのです。自分が本当に着たいと思っている服や、こんなものがふさわしいと思っているアイテムではなく、人から期待されていそうな服、人に感心してもらえそうな服、私の役割にふさわしいと思ってもらえそうな服を優先していました。
ところが、「3ヵ月33アイテムで過ごす」ようになってから、真の自信は外見からくるものではないことに気づいたのです。
デキる女に見せるためのハイヒール、セクシーだと思われるための新しいワンピース、自信を持ってプレゼンに臨むための新しいジャケット……。そういったものに自信を持ってはなりません。
ありのままの自分に自信を持つのです。「より少ない」服で過ごすようになれば、自然と自信が持てるようになります。今すぐ「服を買うのをやめる」ことも、「服を減らす」こともまだできそうにないという方も、とにかく「より少ない」ワードローブの実現に向かって小さな一歩を踏み出してみましょう。少しずつ積み重ねていくからこそ、自信が生じてくるのですから。

「服はたくさんあるけど、着る服がない!」「着ない服を手放して、身軽になりたい!」という方は、ぜひ参考に。

〇欲しいのは、本当に新しい服ですか? 
「3ヵ月間、33のアイテム(小物、靴、アクセサリーも含める)だけで過ごすファッションチャレンジ」。そう聞いたら誰もが「無理……」と思ってしまうのではないでしょうか?
著者のコートニー・カーヴァー自身も、最初はそんなストイックな事ができるとは思っていませんでした。だって彼女は、広告代理店の幹部として働きながら、いいことがあったと言っては買い、仕事で必要だからと言っては買い、なんだかパッとしないから買い……と、服を買い続け(しかもローンで!)、クローゼットに服を押し込み(値札がついたままのものもたくさん!)、ついに服が家中にあふれ出すほどになっていたのです。
私たちと同じように、服は、彼女にとって楽しみであると同時に悩みの種であり、解決すべき課題でした。服って、改めて考えてみると不思議です。なぜ、少しでも細く見せたいの? なぜ、「仕事ができる」風に見せたいの? なぜ、トレンド感を出したいの? なぜあなたは、「この服を着れば自信が持てる」と思うの? 
私たちは、服を着ることで様々な自分を演出しています。でもそれは、もしかしたら「本当の自分」を置き去りにすることになっていない?と、著者は問いかけます。「素敵な自分」になるために必要な気がする新しい服、新しいコスメ、新しいアクセサリーに新しい靴。でも、「これだわ!」と思ったそのアイテムを手に入れて、あなたは思い通り素敵になれたでしょうか。
もしかしたら素敵になれたのは一瞬で、しばらくしたらまた新しい「何か」を探し続けていないでしょうか?実は、新しい服を買うことでは人生も現実も変わらない。
それよりも、自分に向き合って、ものごとを選び直していくことで変われるんだということが分かってくるのです。もしもあなたが、「服はたくさんあるのに着るものがない!」というおなじみの悩みをお持ちでしたら、まずは「ワードローブを減らす」ことから始めてください。

アルコール、除菌、マスクの仲間の勉強塾より