「人材覚醒経済」

 鶴光太郎

無限定の正社員システムが問題である。職務、勤務地、労働時間の3つを明確に定めねばならない。
3つのうち、いずれかを限定したジョブ型正社員を標準にすると問題は解決する。硬直した法規制が改革を阻む。そんな単純なものではない。今のシステムを変えたくないという、我々の心の中にある岩盤が問題である。
女性に活躍して貰うためにも、多様な働き方を可能にするジョブ型正社員は有効だ。女性役員を増やす為には、まず、総合職の女性割合を増やさねばならない。周到な準備が必要だ。
長時間労働の原因は、多様である。すべてを規制すべきではない。健康保持を目的とした、規制は必要だ。格差の固定を放置すると、社会的一体性という日本の強みが失われる。
雇用形態で処遇の格差があるのは、改善せねばならない。雇用の入口では、自分の望む働き方を選択できる情報開示が大切だ。雇用の出口である定年制について、ジョブ型正社員が必要になって来る。
正社員の大半をキャリアの途中でジョブ型正社員に転換させる。そうすれば、中高年の賃金と生産性は釣り合う。定年制の廃止も視野に入ってくる。
誰もが、社外でも通用するジョブ型正社員になれないかもしれない。
そこで必要なのは、独創性ではない。性格スキルとでも言うべき、真面目さが必要だ。

アルコール、除菌、マスクの仲間の勉強塾より