2020年から世帯数も減少

堀切功章、キッコーマン社長

皆が同じ物を作っていたら、消費者は、1円でも安い方を買う。これは、デフレではない。
自分にとって価値ある商品であれば、割高でも手に取ってもらえる。企業がやらなければいけないのは、消費者のニーズをくみ上げて、需要を作っていくことだ。ニーズを掴むためには、商品を消費する消費者としてだけ捉えてはいけない。生活全体を見て、生活者として捉える事が大切だ。

何故、簡便性が求められているのか。それは、生活スタイルがそういうモノに変化しているからだ。少容量化するのも、世帯人数が減っているからだ。
生活の実態を、よく掴み、それに合う商品を開発せねばならない。成長の意味も変わってくる。
人口も減る、高齢化もする。世帯数も減る。皆、マイナス方向だ。
ただ、それはボリュームという量的な意味での減少に過ぎない。成長の意味を量から質へと変えて行かねばならない。

例えば、私たちの醤油では、味に拘り高付加価値化した200mlの少容量タイプの醤油が、家庭で使われるようになった。
あれは、従来の1litterの醤油の店頭価格と同じだ。量は5分の1になったが、金額は変わらない。販売は好調で、売上高は伸びている。
ニーズに合った商品であれば、量は減っても、質的な成長は成長は可能だ。むしろ、そっちを追い求めて行かないと企業は持続できない。

アルコール、除菌、マスクの仲間の勉強塾より