モチベーションを上げる

行動のモチベーションは、「自分自身の存在意義」を認識するところから生まれます。
「自分は何のために働くのか?」「自分は何のために存在しているのか?」を明らかにしないと、
モチベーションが続かないし、全力で仕事に打ち込むこともできません。
これは、人生で最大の問いにもなります。

精神的エネルギーは、自分個人の利益を超えた、もっと大きな何かのために役立とうとする思いから引き出される。
特別で力強いエネルギー源だ。
このエネルギーは、ただ自分の必要を満たし、個人としての目的を果たそうとするだけでは得られないものを、与えてくれる。
つまり生きる意味、存在意義、他者とのつながりだ。
人の為になる事をすると、人間としての奥行きが深まる。もっと大きな人間になれるのである。

何が精神的なエネルギーになるかは、非常に主観的で微妙で、人によって異なるので、
そのエネルギーの源になるものは自分で見つけなければならない。
私たちが心の奥深くに持つ価値観が、どんな人間になりたいかを決める。それが信念の基礎になっている。
価値観に従って行動していれば、人生の荒波を切り抜けようとする時にも、
もっと楽な道を進みたいという誘惑に駆られた時にも、
その価値基準がコンバスとなって正しい選択をするのを助けてくれる。

精神を養うための最初の課題は、自分の価値観を定義することである。
普通、それらはまだ幼いころに植え付けられる。
大人になってから、自分が何を信じるのか、どう行動したいのかを時間をかけて考える人は少ない。
たいていの人はそれよりもっと長い時間を、ただ日常の必要を満たすために使っている。
忙しくて余裕を失うほど、「ここでとるべき正しい行動は?」「この状況で、私は自分の価値観にしたがって行動しているだろうか?」
「私は自分の利己心を超えた行動をとっているだろうか?」などと、自問することは無くなる。
だから、時間を取ってこうした問いかけをしない限り、自分の深い価値観と結びつく事はできない。
自分で意識的に養うしかない。

ナチスの強制収容所で生き抜いたヴィクトール・フランクルは、その経験をもとにこう書いている。
「人生に何を期待するかは重要ではない。それよりも、人生に何を求められているかの方が重要だ。
私たちは人生の意味について問うのを辞め、その代わりに日々の一刻一刻を、
人生から意味を問われているのだと考えなければならなかったのだ…
人生とは、その問いに対する正しい答えを見つける責任を全うし、自分に与えられた役割を果たす事なのである。」

あなたのいちばん優れたところは何処だろう?
自分のことを好きになれて、他の人の為にもなる資質は何だろう?
次の3つの問いに答えることで、あなたが最も大切にしている価値観を見つけられる。
(1)あなたが自分の人生の師、またはロールモデルと仰ぐ人たちを思い浮かべる。いちばん尊敬する誰かでもいい。
その人達の特徴として、どんなことが思い浮かぶだろう?
(2)自分の子ども……または身近にいる特別な存在……を思い浮かべる。
彼または彼女に備わって欲しい性質は、どんなものだろう?
(3)あなたが我慢できないと感じる人達の行動を考える。
彼らはどんな人だろう?それぞれの特徴のすぐあとに、それと反対の特徴を挙げていこう。
3番目の問いへの答えのあとで、その反対の性質として書き込んだ言葉やフレーズが、
あなたが大切にしている価値観を指し示している。
他の人の”我慢できない”ところを考えると、あなたの本能的な反応を引き出すので、
あなたが本当に感じている事をほぼ正確に映し出す。
我慢できないところの反対を考えると、自分が本当に”体現したい”価値観が明らかになる。
たとえば、ケチケチした人に我慢できないのなら、
おそらくそれは、あなたが人に親切であることに価値を置いているからだ。
もし無礼な態度にイライラするのなら、それは、あなたが思いやりに価値を置いているからだ。

アルコール、除菌、マスクの仲間のための勉強塾より