『神様を味方にする法則』

小林正観

釈迦が残した言葉に、「随喜功徳(ずいきくどく)」というものがあります。人の幸せを喜んであげるだけで、徳を積んだことになるのだそうです。おそらく、仏教の修業の中でいちばん簡単な徳積みです。ということは、自分のまわりに「今日はこんな楽しいことがあってね」という話ばかりしている友人をたくさん持っている人は、ただひたすらに「よかったね」と言っているだけで、功徳を積み重ねていけるのですね。

「小林正観と行く国内・海外ツアー」というものが年に何回かあるのですが、その参加者はすでに私の講演会を聞いたリ、本を読んだりしている人だけなので、不平不満、愚痴、泣き言、悪口、文句を言う人が1人もいない。日常の中に、ただ喜びだけを見つける人たちです。旅行の間、みんなで集まると、「こんな素敵な景色を見た」「こんな面白いことがあった」という会話しかない。40~50人の集団で行き当たりばったりの旅行なので、ときには思いどおりにならないことや、予定外のことが起こります。でも誰も文句を言わないし、むしろ「予定どおりにいかなかったおかげで、かえって面白い体験ができた」という話になります。そういう良き仲間と行動していることは、「よかったね」と喜びあうことの連続。それだけで猛烈に徳を積んでいるわけですから、こんなに素晴らしい事はないのです。

そう考えると、よい旅とは、どこへ行くかではなく、誰と行くかによって決まると分かります。良き仲間に囲まれていれば、どこへ行っても楽しいし、また同時に、特別にどこかへ行かなくても楽しい。「旅」を「人生」に置き換えても同じことです。喜びあえる人間関係に囲まれて人生を歩んでいけるなら、台所でタクアンを切っているだけで、じゅうぶんに幸せを感じられるようになります。

ほんとうに気のあう良き仲間とは、うまくいかなかったことや、思いどおりにならなかった事までが面白い。だが、そうでない人は、好いときはいいが、予定通りにいかなかったり、思いどおりにならないようなハプニングがあったりすると途端に不機嫌になる。共に、喜んだり、面白がったり、驚いたリ、大騒ぎしたり、ふざけたりできる仲間は最高てすね。

アルコール、除菌、マスクの仲間の経営塾より