『いきたい場所で生きる』

米田智彦

 移住、複数拠点で暮らすことは、注目されている生き方。ICTを使ったリモートワークの実現によって、住む場所、暮らす街すら、選べる時代がきている総務省が2016年6月に発表した「各都道府県及び市町村における移住の実態等を把握するための聞き取り調査」では、移住に関する相談件数が14万1683件にのぼった。全国でもずば抜けて件数が多かったのが長野県への移住相談の1万2千件で、二位の高知ですら8千件と、その人気ぶりは注目に値する。

しかし、この調査で僕がもっとも気になったのは、相談者の関心事で「住まい」の次に「仕事」がきていること。つまり、この相談者たちは、年金暮らしのリタイア後の楽園探しとして移住を考えているわけではない「移住したい理由」という問いに対する答えとして「出身地であるから」に次いで「スローライフを実現したいから」が全体の36.9%を占め、特に30代男性は47.9%という高い数字が見られた

ドイツのベルリンやオランダのアムステルダムのように、多様性を持って移民に寛容な国や都市があり、そのなかでフリーランスビザやアーティストビザを取りつつ、活動している人たちがいる最初から直接移住するのではなく、暮らしを試す「試住」を、まずは検討したいソフト面のメリットがたくさん揃っていても、「働く場所と収入」というハード面が失われると、しんどい。逆にそれさえ確保しておけば、田舎暮らしのメリットをフルに感じることができる。

いままで勤めていた会社から受託というかたちで仕事を受けておくなど、都市部と離れていてもできる仕事をあらかじめつくっておき、収入源を確保しておく。(藤村さやか 宮城・気仙沼)

共感できる“人”と“文化”があるかどうかが大事(津田賀央 長野・富士見)

リノベーションの際、自分たちでできることで一番コストパフォーマンスが高いのが床の張り替え住民に対してイメージづくりで先手を打つ

オランダでの部屋探しにもっとも有効なのが、フェイスブック。オランダに住むための英語のフェイスブックの公開グループがあり、承認されれば、そのグループのなかでどんどん物件案内が届く。

アルコール、除菌、マスクの仲間の経営塾より