「企業変革力」 

ジョン・P・コッター

現状満足や自己肯定が変革を妨げる。だから、変わる事への抵抗はとても大きい。そして、変革への抵抗は組織の至る所に存在する。例えば、自社の業績低迷に対して「しかし、他者も低迷してますよ」「しかし、我々も改善しつつありますよ」と、「しかし」の付いた発言が多く出る。それは問題から目をそらす企業文化の表れだ。

「景気が良くなれば」など「れば」の付いた発言が多ければ、他人頼みの組織である。このような組織では、問題を自分自身の中に見いだせない。その為に、変革は始まらない。変革の必要性を認識できないからだ。また、大規模なコスト削減プロジェクトなら。役員がマホガニー製のテーブルのある見事な会議室で打ち合わせをしたり、ファーストクラスで出張をしているようでは上手く行くはずがない。変革への抵抗は、行動によっても組織内に広がってしまう。このような状況は、過去の成功が生み出してしまう。

企業は、上手くやって来た事を守る為のマネジメントを社員に要求するからだ。マネジメントとは、計画立案や実行に向けた組織化、コントロールだ。確実性と秩序を築き上げる原動力であり、日々の組織運営には必要不可欠なものだ。

しかし、変革には、それとは違う力が必要だ。危機意識を醸成し、変革の方向を示す力。そして、人材を整列させ、行動に駆り立てる原動力だ。これこそが、リーダーシップだ。リーダーが現状満足を打破し、組織を目覚めさせる事が、企業変革の第1歩となる。

オルコール、除菌、マスクの仲間の勉強塾より

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