「オンラインデートで学ぶ経済学」 

ポール・オイヤー

婚活サイトでは、正直に自分のプロフィールを書くのは損である。体重を軽めに、年齢を若い目に、収入を高めに詐称する。多くの人が、そうするから。自分だけ正直に書く訳にはいかない。その結果、プロフィールの情報としての信頼性が全体的に下がってしまう。
情報の信頼性を増すために、更にシグナルを出す事が、重要になる。例えば、自分が金持ちだと示したいのならば、銀行の通帳をスキャンしてアップする。頭脳の優秀さを示したいのなら、出身校の卒業証書をスキャンしてアップする。
だが、シグナルは本人の望み通りの効果をもたらすとは限らない。品性が乏しいと解釈されることもあるからだ。

婚活サイトは、売り手と買い手を組み合わせて行く。この市場の主な特徴は2つある。各人は、売り手でも、書い手でもあること。そして、各人には、様々な個別性があること。運営面から見ると、参加者を多く集める事がビジネスの成否を分かつ。新規参入を試みる婚活サイトは、いかに使いやすいサイトを提供しても敵わない。たった今、参加者がいないと新たな参加者は寄って来ないからだ。

人と人をつなぐビジネスでは、人が人を呼ぶ軌道に乗せる事が死活問題となる。

アルコール、除菌、マスクの仲間の勉強塾より