歴史が問うコロナ対策
米スタンフォード大シニアフェロー、ニーアル・ファーガソン
各国の政策実行者は1月に事態を甘く見て、3月までにパニックに陥り、常軌を失した行動に出た。経済の封鎖と人々の監禁は世界経済を壊した。
将来の歴史家は、こうした対応を誤りだったと判断するだろう。
人類の歴史で新しい病原体を完全に根絶できたのは稀だ。我々は長期戦に備えなくてはならない。我々は間違った国の対策を真似てしまった。
感染拡大を隠蔽した後に激しいロックダウンと監視体制を敷いた中国ではなく、台湾に学ぶべきだった。
検査を進め早い段階で感染経路を断ち、台湾はロックダウンをしなかった。
米国などが、かねて用意していたパンデミック対策は作動しなかった。初動の遅さと過剰反応という最悪の組み合わせが危機を招いた。
中国がコロナ後の勝者になるシナリオはあり得ない。供給サイドはてこ入れできても、消費低迷は克服できない。
労働人口と生産性の低下、過剰債務の問題を抱える中国にとって今回の危機は予想以上に深刻な影響をもたらしている。
アルコール、除菌、マスクの仲間の勉強塾より