「ポピュリズムの嘘」
1.コストを無視してベネフィットだけを強調する財政再建には、増税か歳出削減かの、どちらかが必要な筈。
ところがポピュリズムは違う。
政府支出を増やしても、成長率が高まる。税収が増えるので心配ない。政府保有の資産を取り崩せば、負担無く財政支出を増やせる。
2.一般の人の耳に優しい事しか言わない
トランプ氏は「輸入を制限して貿易赤字を減らせば、アメリカの製造業の雇用が拡大する」と言う。これは輸入品を大量に消費する国民には分かり易い。しかし、これは「輸出は国内総生産にプラス、輸入はマイナス」という極端に単純な仮定だ。原材料や部品の輸入までも減れば、国内総生産は減る。
アメリカが輸入を制限すれば、相手の国も、アメリカからの輸入を制限する。分かり易い事と正しい事は違う。
3.起死回生の妙手であるかのような体裁を取る
日銀が国債を直接引き受け、それを財源に政府が減税や歳出拡大を行う「ヘリコプターマネー」。企業の内部留保にまで課税して、投資を促進すべきだ。そんな政策が、これまで実行されなかったのは効果が無い割に副作用が大きいからだ。
あまりにもウマすぎる政策、分かり易い説明、起死回生の妙手的なプレゼンテーションは、疑ってかかるべきだろう。
アルコール、除菌、マスクの仲間の勉強塾より