「ブロックチェーン・レボリューション」

D・タプスコット、A・タプスコット

インターネットのおかげで、消費者と生産者が直接やり取りし、中間業者の介在が不要になった。今では、生産者が提供するプラットフォームの下で、消費者が新たな付加価値を生み出している。消費者と生産者が混然一体となるプロシューマーの時代が始まりつつある。

しかし、お金のやり取りはネットバンキングを使っても、銀行が未だに介在している。写真や書類を電子メールで送るように、お金をネットで相手に渡すのは無理だ。送金を証明する銀行の仲介を要する。

銀行や国家の介在なしに所有権の移転をネット上で当事者間だけで可能にする技術がブロックチェーンだ。改ざんが不可能な公開された台帳の上で、資産が取引される。匿名性を担保したまま、ネット上の分散されたデジタル情報を通じてやり取りできるから国家も補足できない。

ウーバーやエアビーアンドビーが、もてはやされている。それらは、ユーザーと資産保有者の情報を持った仲介者に過ぎない。彼らは、真のシェアリングエコノミーではない。利用者と提供者が直接やり取りし、仲介者が不要のブロックチェーン版のウーバーやエアビーアンドビーが誕生するだろう。フェイスブックやグーグルのプラットホームがネット社会の勝者であるが、ブロックチェーンが独占を崩す可能性がある。

アルコール、除菌、マスクの仲間の勉強塾より