禅と庭に学ぶ

桝野俊明 曹洞宗建功寺住職 多摩美術大学環境デザイン学科教授

禅思想が生み出した枯山水は 余白の美である。能の役者は、動きと動きの間を取る。 水墨画には、余白がある。 

庭も同じで、余白から生まれる緊張感や余韻が、 見る者を考えさせる。
例えば、龍安寺の石庭は簡素だが 石と白砂が作る余白の構図には 強い緊張感が漂い、 精神的な高みを感じさせる。

物ごとに完成は無い。完成された物は、 それで終わってしまう。 これに対し、不完全な物は無限だ。 
完全すぎると、作り手の心が 入り込めない。 

完全な物を壊してこそ、 自分の精神性を注ぎ込む事が出来る。 禅の修行にも、終りが無い。

アルコール、除菌の、マスクの仲間の経営塾より