もしもし、猫

前田司郎

僕には、幸せが何なのか分からない。まして、猫の幸せなんて。

でも、僕よりも猫の方が、全然知っていて、猫から見たら、僕らはとても愚かしいのかも。
猫を見ていると、思えるのだ。

僕らは、幸せを自分の外に求め過ぎている。ただ生きる、それだけで幸せなんだ。
それなのに、生きることをドンドン拡大していくから、管理できなくなる。

人は観念が巨大になり過ぎた動物だ。その巨大な観念ゆえに、いつか滅びるんじゃないか。
僕も随分、巨大だ。欲望も大きい。

欲望が無ければ、仕事はできない。良いモノを書きたい、百年残るモノを書きたい。
その為には、どんなに満たされていても、常に欲求不満でいないといけないと思っている。

でも、本当にそうなのか。最近、疑い始めている。猫と暮らし始めた事も大きい。

アルコール、除菌、マスクの仲間の勉強塾より