『GRIT やり抜く力』

アンジェラ・ダックワース

「おまえは天才じゃない」と親に言われ続けて育った少女が、おとなになって「天才賞」を受賞するとは。
しかも受賞の理由は、人生でなにを成し遂げられるかは、「生まれ持った才能」よりも、「情熱」と「粘り強さ」によって決まる可能性が高い、と突きとめたことなのだ
それでもまだ父が聞いていたら、最後にこうつけ加えよう。「お父さん、長い目で見れば才能よりも重要なのは、グリット(やり抜く力)なのよ」

そもそも彼らは、自分の目指している大きな目標に、簡単にたどり着けるとは思っていなかった。いつまでたっても、「自分などまだまだだ」と思っていた。まさに自己満足とは正反対だった。しかしそのじつ、彼らは満足しない自分に満足していた
第一に、このような模範となる人たちは、並外れて粘り強く、努力家だった。
第二に、自分がなにを求めているのかをよく理解していた。決意だけでなく、方向性も定まっていたということだ

営業職の場合は、職務経験がもとを言うらしく、経験者のほうが未経験者よりも離職率が低かった
SATのスコアが高い学生たちは、ほかの学生たちにくらべて平均的に「やり抜く力」が弱かった
ひたすら「同じこと」を考え続ける「才能」に目を奪われてしまうと、同じかそれ以上に重要なもの、すなわち「努力」に目が行かなくなる
「人生で成功する秘訣の80%は、めげずに顔を出すこと」(ウディ・アレン)

若手を指導する立場になったマンコフは、漫画家志望者には「作品は10単位で持ち込むように」とアドバイスをしている。
「漫画も人生もそうだけど、9割がたはうまく行かないからね」

ひとりが賢くなると、まわりも賢くなっていく
調査でもっとも「やり抜く力」が強かったのは、65歳以上の人びとであることがわかる。
いっぽう「やり抜く力」がもっとも弱かったのは、20代の人びとだった

エキスパートは「ニュアンス」に興味を覚える
「意図的な練習」をしなければ上達しない
鉄人は必ず「他者」を目的にする
「1年以上継続」「進歩」をした人が成功する
「偉大な選手」になるには「偉大なチーム」に入るしかない

アルコール、除菌、マスクの仲間の勉強塾より