『採るべき人採ってはいけない人』

奥山典昭

中小企業は、「自分の会社に良い人材が来るはずない」と思い込んでいますが、『マネー・ボール』のオークランド・アスレチックスのように、
大企業の裏をかく隙は、いつだって存在します。どうすれば「学力だけ優秀」な人と「仕事でデキる」人を選り分けられるのか、その視点を示します。

威圧的な物言いが目立つ人=心が弱い人の自己防衛行動
集合時刻より大幅に早く来る人=自己都合で動く、自己中心的な人
理念っぽい話や哲学めいた話にも絡める人=「考える力」の持ち主である可能性大
人のために責任を背負って動く人は、取り組みが持続的になり、集中力も高い水準で維持されます

見えやすい方の情報処理力は、作業領域には対応できても、問題解決領域では無力化しやすい
「対象に向き合う力」に視点を絞ればすべてがわかる
コミュニケーション能力をアピールする人だらけのグループ討議にあって、本当に人と向き合っている人はほとんどいません
対象に向き合えない人にとって最大の関心事は「自分」です。言い換えれば、自分のことで頭がいっぱいなので、肝心の対象に向き合えないのです

採用で求めるべきは「自然体の人」
議論の型の整備へ過剰に注力する人の大半は、とにかく「自分が安心したい」「楽になりたい」という「自己目的」を必死で優先させるので、
対象に向き合える余地など残っていないのです
ずっと「美しい抽象論」の世界で遊び、責任の伴う具体論への落とし込みを避ける人は、成果を求める組織の一員としては極めて不適格

概念ばかりの発信を浴びせられた時、人の反応は大体、四通りに分かれます。
(A)本当に理解した時にだけ、自然な反応行動を見せる。
(B)一生懸命理解を図るも、発信の意味や全体観の把握に苦戦している様子が窺える。
(C)最初から最後まで「私はわかっていますよ」という顕示的な反応行動を繰り返す。
(D)何も理解できない状況を嫌い、心がそこにいなくなる。
(C)と(D)がハッキリ見えたら、「考える力」の欠如はほぼ間違いないと言っていいでしょう
派手なパフォーマンスや就職活動対策に惑わされず、就職後活躍できる人材を採る。

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