『急に不機嫌になる女 無関心になる男』

姫野友美心療内科医で医学博士、日本薬科大学漢方薬学科教授

通常、心理の問題として扱われがちな問題を、じつは「身体の問題」として扱い、なぜ女性がイライラするのか、なぜ夫が無気力になるのか、そのメカニズムを明らかにしています。「不機嫌になる」「イライラする」「気力がない」「怒る」と感じる心の動き(感情)は、セロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンなどのホルモン(神経伝達物質)の働きによるもの。

最近の研究で、このドーパミンやセロトニンの前駆物質は腸でつくられることが明らかになっているらしく、そこで重要なのが「食事」なのだそうです。幸せになれるかどうかは腸内細菌しだい。ひいては、腸内細菌叢(腸内フローラ)を整える食事なのだ
2種類ある女性ホルモンのうち、エストロゲンが減少すると、同時にセロトニンというホルモンも減少する。セロトニンは別名「ハッピーホルモン」とも言われ、心を安定させたり、焦燥感や不安感を鎮めたりする
女性は初潮が始まったときから毎月、経血とともに鉄を失っている。更年期を迎えるまでの約40年間も鉄を失い続け、さらに妊娠・出産では胎児に優先的に鉄を提供し、授乳によって鉄も失っている
更年期以降は、鉄の貯金は底が見えている。もういつ空っぽになってもおかしくないのだ。この状態ではセロトニンを十分に合成する力はなく、ほのぼのする余裕など残っているはずがない。実際、中高年の女性の治療で鉄を摂ってもらったところ、イライラしなくなって甘いものに手を出さなくなっていく

男性の場合、長年仕事のストレスにさらされて闘ってきたため、ビタミンB群、なかでも特にナイアシンの欠乏が関係している。特にお酒が好きな人ほど、ナイアシンが不足しやすい。アルコールに含まれるアセトアルデヒドの分解にナイアシンが欠かせないため、付き合いや接待、ストレス解消でお酒を飲む人ほどナイアシンを消費し、脳の働きに使われる分が足りなくなる。

麺やご飯が大好きな人も要注意だ。糖質をエネルギーとして代謝するためにはビタミンB群の働きが重要で、もちろんナイアシンも使われる
お昼にラーメンやうどん、丼ものが定番の人ほど、ますますナイアシンが不足して、しだいに無気力になってしまうのだ

テストステロンが下がるとメタボリックシンドロームのリスクが高くなる
女性は生理で経血とともに血液と一緒にたんぱく質も毎月失っているため、しっかりたんぱく質を食べないと、どんどん減っていってしまう。たんぱく質不足では考えたことがまとまらず、脳の中で伝わるはずの情報が伝わらずに消えてしまう。これでは話が長い、何が言いたいのか結論がわからないと言われても仕方ない

糖質制限は、血糖値を下げるインスリンホルモンの過剰分泌によって増える内臓脂肪を減らし、内臓脂肪から分泌される悪玉ホルモンを抑えることができる
ナイアシンはたらこなどの魚卵やあじ、いわし、さばといった青背魚に多い
マグネシウムを多く含む食品は、アーモンド、カシューナッツなどのナッツ類のほか、落花生や大豆、あずき、きな粉、木綿豆腐、いんげん、納豆などの豆類、
干しひじき、乾燥わかめ、あおのりなどの海藻類比較的果糖が少ない
果物は、柑橘類、いちご、キウイ、ハム、ソーセージ、ベーコンなど、加工食品には、意外と糖質が入っている

松下幸之助は、成功の法則について、<成功するまでやり続けること>と言いましたが、そのためには心身ともに健康であることが大事。

アルコール、除菌、マスクの仲間の勉強塾より