『ライフシフト 100年時代の人生戦略』

リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット

先進国の寿命が伸び、人生100年時代が現実となってきた今、われわれがどう人生設計すべきか。人生が短かった時代は、「教育→仕事→引退」という古い3つのステージの生き方で問題なかった。しかし、寿命が延びれば、二番目の「仕事」のステージが長くなる。引退年齢が70~80歳になり、長い期間働くようになる。
このような時代には、単一のスキルだけで人生を生き抜くことは難しい。また、同じ職場で引退まで過ごすことも現実的ではありません。このような時代には、選択肢を狭めずに幅広い針路を検討する「エクスプローラー(探検者)」や、自由と柔軟性を重んじて小さなビジネスを起こす「インディペンデント・プロデューサー(独立生産者)」、さまざまな仕事や活動に同時並行で携わる「ポートフォリオ・ワーカー」が登場する。

また、長い職業人生を貫くには、3つの資産が必要だ。〇無形の資産の3分類1.生産性資産 2.活力資産 3.変身資産
これまでのように生産性を高めるだけでなく、活力を維持する、あるいは新たな可能性に挑戦するため、変身しなければならない
人生で多くの移行を経験し、多くのステージを生きる時代には、投資を怠ってはならない。新しい役割に合わせて自分のアイデンティティを変えるための投資、新しいライフスタイルを築くための投資、新しいスキルを身につけるための投資が必要だ

エイジとステージが一致しなくなれば、異なる年齢層の人たちが同一のステージを生きるようになって、世代を越えた交友が多く生まれる
アイデンティティ、選択、リスクは、長い人生の生き方を考えるうえで中核的な要素になる
長い人生をお金の面で支えるためには、パートナーが仕事をもっている方が楽だ。世帯の出費の面で「規模の経済」の効果がはたらくことと、世帯の純所得が増えることが理由である
同類婚を望む高スキルの人材は大都市に向かう可能性が高い
長い人生を送るようになれば、その人がどこから出発したかより、なにをするかがアイデンティティを大きく形づくるようになる余暇の時間を、レクリエーション(=娯楽)ではなく、自分をリ・クリエーション(=再創造)するために使うのだ

落とし穴にはまっていない人は、以下の三つのことを実践している。まず、リスク分散のために、投資対象を分散させ、ファンドの運営会社もいくつかに分けている。次に、高齢になると損失を取り返す時間があまりないことを理解していて、引退が近づくとポートフォリオのリスクを減らしはじめる。そして、資金計画を立てるとき、資産の市場価値を最大化させることよりも、引退後に安定した収入を確保することを重んじる

1990年代頃、貧困層・低スキル層と富裕層・高スキル層の労働時間が完全に逆転する。低賃金の人たちが短い時間しか働かず、高賃金の人たちがそれより少し長く働くようになったのだ

アルコール、除菌、マスクの仲間の勉強塾より