「最後の資本主義」

 ロバート・ライシュ

中間層の消滅や所得格差の拡大、機会の不平等が世界政治を揺さぶっている。「自由市場」と「政府の介入」は相いれない概念だととらえられがち。しかし、所有権、独占、破産、契約といったルールを適切に政府が整備してこそ市場は適切に機能するのだ。

資産家や大企業経営者、米金融街の成功者たちは、自由市場で合理的に利益を追求しているだけだと説明される。それは違う。数多くの分野で、ルールは彼らの有利な形に改められている。資産が増えれば、政治力が高まり、さらにルールが直されやすくなる。

能力主義や実力主義を徹底するほど、下位層から上位層に富の偏在が進む。大多数の人々は、生活や雇用の改善を実感できない。

グローバル化や技術革新で、中間層は細くなり、格差の固定化が進む。資本主義を市民本位の形に立て直さねばならない。

アルコール、除菌、マスクの仲間の勉強塾より

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