「政府債務の削減」

 カーメン・ラインハートハーバード大学教授

政府債務残高が大きいのは、すべての先進国政府にとって悩みの種だ。とりわけ日本が深刻である。国家が債務比率を下げる5つの方法

1.経済成長
2.厳格な財政調整または緊縮
3.官民の債務の明示的な不履行または再編
4.急激なインフレ
5.実質金利を低水準(多くはマイナス)に維持する  

一貫した金融抑制4と5は、債務の大半が国内通貨でないと不可能だ。日本国債の全部と民間債務のほとんどは円建てだ。だから、日本は5つの政策すべてが実行可能である。

日本の場合、政府債務ばかりに気を取られてはいけない。国内総債務が急増している。これは、銀行からの借り入れが急増しているからだ。国債だけでなく、銀行融資にも手を付けてしまった訳だ。

国債購入の手詰まりから、日銀の黒田総裁は発表した。「今後は、10年物国債の名目利回りが、ほぼゼロになるように介入する。」これは、アメリカで戦時中に実施された、非常事態の手法だ。インフレ率が上昇したら、国債の実質利回りは、さらにマイナスになる。すると円安を誘発し、インフレ押し上げ圧力が強まる。

既存の債務は、インフレによって目減りしてしまう。この過程で消費支出が増えれば、理想的だ。インフレが無い限り、金融抑圧で債務削減を実現する事は不可能だ。

アルコール、除菌、マスクの仲間の勉強塾より

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