言葉は伝播する

たとえば、奥さんが家族の前で「私くらい幸せな人はいない。私ほどいい人生を送っている人はいない」とつぶやきます。その声は夫にも聞こえ、子供たちにも聞こえるでしょう。その声を聞いた夫はこう思うのです。「自分と一緒にいた20年も含めて幸せだと言っている。自分との20年も幸せだったととらえてよいのだな」と。その結果、夫の細胞は活性化します。その一言によって本人も気がつかないところでどんどん元気になります。「あなたのおかげでいい人生だった」と言われたのですから、元気が増すのです。

子供たちの立場で考えてみます。お母さんが子供たちとの一緒の十数年の人生が楽しかったと言ったわけです。子供たちはその母親に対してこう思います。「ああ、お母さんは僕たちと一緒の人生を良かったと考えているんだな」と。子供の細胞も活性化し、元気になります。

友人に対しても同じことが言えます。「ああ、私くらい幸せな人はいない」「私は本当に恵まれていて、いい人生を送らせてもらっている」と友人の前で言ったとします。たとえば、その友人と10年のつき合いだったとしたら、そのつき合いの10年も含めていい人生だと言われたわけです。自分たちの存在もその幸運でラッキーな人生の中の一部ととらえることができます。その言葉を聞いた途端に友人たちも元気になるのです。

周りの人はその言葉を聞くことによって元気になるので、その人の傍にいる時間が心地よくなります。その人の傍にもっといたいと思うようになります。ですから、「私は幸せ」「私はとてもツイている」と、口にすればするほど周りの人がどんどん味方になっていきます。これは、もともと明るく元気な人ほどそうなります。反対に、暗くて愚痴や泣き言ばかりが好きな人というのは、「私は幸せ」「ツイてる」といった明るい言葉に対していい印象を持っていません。そいういうことを口にする人の傍から離れていきます。

ですから、「私は幸せ」と口にする人の周りには、前向きな言葉の好きな明るい人、快活な人、元気な人だけが残ります。さらにそういう言葉が好きな人が集まってきます。

アルコール、除菌、マスクの仲間の勉強塾より