『豊かな心で豊かな暮らし』 

小林正観

理不尽という名の試験《理不尽な出来事や現象が起きた時は、大きなステップが約束されている。その時、文句や愚痴を言うと、宇宙の味方が得られなくなる。》

ある人がお店をやっていました。お客様に喜んでもらおうと思って、足湯の設備を新しくつくりました。ところが、何年も来たことのない大家さんが、そういう時に限ってやって来たのだそうです。そして許可なく改築したことを怒り、出て行ってくれと言いました。この人は、「人格が上がってとらえ方が変わってくると、理不尽度の高い出来事が起きるよ」という私の話を聞いていたので、その時も、お客様に喜ばれるようにやったことなので残念だと思いながらも、大家さんの言うことを受け入れ、出て行くことに決めたのです。明日出て行くという最終日。それまで、いい物件が見つからなかったのですが、たまたま目についた不動産屋に飛び込んだら、その目の前の物件が空いているということでした。その建物はとても広いうえに、家賃もかなり良心的なものでした。たまたま飛び込んだところの目の前に、とてもいい優良物件があったのです。その人は、こんなところにこんないい物件があることは、知らなかったそうです。現在、その人はその物件を借りて、ずっと仕事をしています。売上も順調でお客さんもたくさん来ています。お客様を喜ばせようと思ってやったことが、大家さんの怒りを買ってしまった。その結果、出て行ってくれということになった。

一見、宇宙的には方程式に反しているように見えるかもしれませんが、実はより大きな飛躍のための現象だった、出来事だったということがわかります。理不尽度の高い現象が起きた時は、大きなステップが約束されている。その時、文句や愚痴を言わないこと、戦わないこと、争わないことというのは、上のほうからじっと見守られています。

別の人の話です。ある人が食事関係の店をやっていました。隣の土地を駐車場として借りていました。その駐車場の持ち主が、事情があって駐車場を買い取ってくれと言ってきたのだそうです。その金額が、世間相場よりも2割か3割ほど上乗せされていて、けっこう高い金額だということでした。そこでどうしたらいいだろうか、という相談を受けたのですが、私の考え方はこうでした。「2割、3割高くても笑顔で買い取る方がいいと思います。その土地を買うということは、新たに自分の土地が手に入るということです。新しく自分の土地になるにあたって、最初の関わりが買い取ってくれということだった。最初の出来事を笑顔で楽しく行うという点では、争ったり、言い合ったりしない方がいいと思います。出発点はどちらも笑顔でいけるという点では、2割、3割高くても、私だったら笑顔で買いますね」という話をしました。その方はわかりましたと言って、2割、3割高い金額で土地を買い取ったそうです。その後、その土地も店もとても順調で、笑顔で楽しく仕事が続けられているということでした。

笑顔で楽しく生きていこうという人には、腹を立てさせるような、ガッカリさせるような、理不尽度の高いものが舞い降りてきます。その時にいちいち腹を立てないこと、イライラしないことです。そういうものと戦って争って、なんとか自分の正当性を主張すると、どうも宇宙の味方が得られにくくなる。自分に落ち度はないのに、理不尽な現象が降ってくる。理不尽なことを言われるという時は、それを笑顔で受け入れられるような人かどうかを、宇宙はじっと見守っている。

人間の魂のレベルが上がるとき、「不幸という名の試験」がやってくる。一般的に「不幸」だと思われている現象を、どうとらえるかという試験だ。それには三つの見方・考え方がある。「不幸」に対して…一つ目は、最悪だ、ツイていないと、愚痴・泣き言・不平不満・文句を言う。二つ目は、この程度で済んでよかった、幸せ、ラッキー、嬉しいと言う。三つ目は、このことがあったおかげで、今の私がある、ありがたいと感謝する。実際には、「幸」という現象も、「不幸」という現象もなく、その人の考え方や見方でどちらにもなる。理不尽なことについても同じだ。

アルコール、除菌、マスクの仲間の勉強塾より